高齢者の心のサインと向き合う

高齢者のメンタルヘルスケアにどうやって取り組めばいい?

老人性うつの特徴

高齢になると、若い頃よりも気分が落ち込みやすくなったり、何事にも意欲がわかなくなったりすることがあります。こうした状態が長く続く場合、老人性うつかもしれません。高齢者特有のこのうつ病認知症と混同されることがありますが、認知症とはまた違う特徴があるのです。年を重ねると、体や生活に様々な変化が起こります。若い頃は簡単にできていたことができなくなったり、病気を抱えるようになったりすることも珍しくありません。以前は元気に歩いていたのに、膝が痛くて長い距離を歩けなくなる、持病の治療のために定期的に病院に通う必要が出てくるなど、高齢になるほど治療が必要な病気が増えるものです。さらに、慢性化して継続した治療が必要になるなどの変化が増えるのは自然なことです。

治療が必要な病気がなくても、体力が低下したり疲れやすくなったり、記憶力が低下するなどの変化は伴います。こうした変化は誰にでも起こりうることですが、中にはこれらの変化を受け入れられず、若い頃との違いに大きなショックを受けてしまう高齢者もいます。以前はできていたことができなくなったという喪失感や、将来への不安から、気分が落ち込み、何もする気力がなくなってしまうことがあります。このような状態が続くと、老人性うつにつながる可能性があります。また、高齢者は社会的な役割の変化も経験します。現役を引退したり、配偶者や友人を亡くしたりすることで、社会とのつながりが希薄になり、孤独を感じやすくなります。こうした環境の変化も、老人性うつの原因となることがあります。高齢者を取り巻く環境や心身の状態の変化が、老人性うつの大きな要因となっているのです。

高齢者に行う適切なメンタルヘルスケア

高齢者の介護をしていく上でメンタルヘルスケアが必要なケースもあります。様々な喪失体験や慢性的なストレスによって、抑うつ状態になっている人が多く見受けられますが、認知症と症状が似ているため見逃されがちです。症状に気付いた時には既に進行しているといった事態を避けるためにも、介護士や周りの人が気にかけてケアする必要があります。メンタルヘルスケアを行う上での注意点としては、まず普段の様子と明らかに違う点があれば、早めに医療機関の受診を勧める事です。穏やかにゆっくり過ごせばすぐ元気になると考えていても、うつ病はそう簡単に改善する訳ではありません。薬の服用など医療の力を使えば良くなる可能性が高いため、まずは適切な治療を受ける事が賢明です。

 

医療機関で専門的な治療を受けながら、介護の現場で行うメンタルヘルスケアは、とにかく話を丁寧に聞く事が大事です。医師や看護師相手では話す時間も限られていますが、一緒に過ごす期間が長く、心を許した介護士なら高齢者も安心して話が出来るものです。例えば何か体の不調を訴える時は頭ごなしに気のせいと決めつけるのではなく、どの場所がどのように辛いのかゆっくりと話を聞いていきます。根本的な解決に至らなくても、自分の症状をわかってくれる存在がいるだけでもホッと出来るものです。また必要以上に心配すると相手も不安になってしまうため、適度に距離感を保ちながら温かく見守る姿勢が大切です。こちらのサイト(「心のケア」を大切にできる介護職になろう)に、認知症と老人性うつ病の違いや、メンタルヘルスケアをする際に役立つ情報などがまとめられているので、併せて読むとよりわかりやすいでしょう。