高齢者の心のサインと向き合う

高齢者のメンタルヘルスケアにどうやって取り組めばいい?

高齢者に行う適切なメンタルヘルスケア

高齢者の介護をしていく上でメンタルヘルスケアが必要なケースもあります。様々な喪失体験や慢性的なストレスによって、抑うつ状態になっている人が多く見受けられますが、認知症と症状が似ているため見逃されがちです。症状に気付いた時には既に進行しているといった事態を避けるためにも、介護士や周りの人が気にかけてケアする必要があります。メンタルヘルスケアを行う上での注意点としては、まず普段の様子と明らかに違う点があれば、早めに医療機関の受診を勧める事です。穏やかにゆっくり過ごせばすぐ元気になると考えていても、うつ病はそう簡単に改善する訳ではありません。薬の服用など医療の力を使えば良くなる可能性が高いため、まずは適切な治療を受ける事が賢明です。

 

医療機関で専門的な治療を受けながら、介護の現場で行うメンタルヘルスケアは、とにかく話を丁寧に聞く事が大事です。医師や看護師相手では話す時間も限られていますが、一緒に過ごす期間が長く、心を許した介護士なら高齢者も安心して話が出来るものです。例えば何か体の不調を訴える時は頭ごなしに気のせいと決めつけるのではなく、どの場所がどのように辛いのかゆっくりと話を聞いていきます。根本的な解決に至らなくても、自分の症状をわかってくれる存在がいるだけでもホッと出来るものです。また必要以上に心配すると相手も不安になってしまうため、適度に距離感を保ちながら温かく見守る姿勢が大切です。こちらのサイト(「心のケア」を大切にできる介護職になろう)に、認知症と老人性うつ病の違いや、メンタルヘルスケアをする際に役立つ情報などがまとめられているので、併せて読むとよりわかりやすいでしょう。